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墨入りタクシーゆる~く営業中

とある地方都市のタクシードライバーの日々の雑感

タクシードライバーと給料

別にタクシー業界に限らずなんだけど、その業界で働いている人にしか分からない事情というのはたくさんあるのだと思う。カーディーラーの営業マンにはカーディーラーの営業マンにしか分からない職務上の事情があるだろうし、警官にも、コンビニの店員にも、政治家にもヤクザにもあるだろう。

 

このブログを始めた時、そういうタクシー業界の内部事情を書きたいな、という思いもあった。僕が今まで経験してきた限りで言うとかなり特殊な世界だったからだ。別に、僕たち特殊な世界で働いているんだよ~だから多少ヘンなところあっても勘弁してね~とか甘えた事を考えているわけではない。もし僕が業界の内部事情を上手く書けたとして、それが何人かの方の目に触れる機会があったとする。で、それだけで十分、というか、あとは読んでくれた人がそれぞれにおいて考えてくれればいい事だと思っている。それがタクシー業界やタクシードライバーに対する理解に多少なりともつながれば言う事はない。
ルポルタージュ、なんて大層なものは僕の器量では書けそうにないが、僕はこの業界で働く人間にしか分からない事情を時々紹介したいな、と思う。
だから、僕が本当に読んでもらいたいのはこの業界に無関係の人や、タクシーをご利用頂くお客さんだ。割とブログ開設の当初からそういう目線で書いてきたつもりではいる。

 

逆に言えばあまり同業者に向けて、という気持ちでは書いていないかも知れない。まあ読んでもらいたい気持ちはあるけど、逆に、もしかしたら同業の方はこのブログを読んで面白くない思いをするのかもな、なんて思う事もある。業界や業界人の保身的なスタンスでは一切書かないからね、今までもそうだったしこれからも書かないと思う。このブログは、いちドライバーが感じる日々の雑感時々ポエム、というスタンスで続けていくつもりです。
でもやはり根っこには、この業界を現状よりも少しでも良くしたいという思いは僕なりにある。しかも結構強く。今現在、この業界の在り方にも問題が多々あるし、それが外の世界にも全然伝わっていないと僕は思っている。だから提灯記事なんて書けないよね、余計にさ。問題点や欠点はそれをそれとして認識して初めて事態は改善へと向かうのだ。

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前置きがやたら長くなってしまったけど、今日はタクシードライバーの給料の話を書きたいと思う。これ、車内でお客さんに「ぶっちゃけ運転手さんたちって、どうなの?」と聞かれる話題のNo.1でもあるし、この給与体系がこの業界の諸問題の一番の根源である(と僕には思える)という、実は大変奥深い話題なのだ。このエントリで書ききれないと思うので何度かに分けて書こうと思います。

 

我々タクシードライバーの給料は、基本的には歩合給だ。最近になって完全固定給の会社も出てきたという話を何処かで聞いたけど、そういう会社はまだまだ少数な筈だ。基本給は会社によってある所もあれば出さない所もある。ちなみに僕が所属している会社には基本給はない。
まあ基本給と言っても、出している会社でも僕の営業している地区ではシフト上の拘束時間×その地域の最低賃金程度、手取りで12万行くかどうかという所なので、年金を貰いながらのんびりやっているお爺さんドライバーや実家住まいのやる気のないチョンガー以外、少しでもまともな暮らしをしようと思えば月の給料は殆ど歩合給の部分にかかってくる。基本給は病気や怪我をした時の保険程度の意味しか持たない。

 

歩合のシステムは単純明快で、その月の売り上げから消費税を抜いた金額(タクシー料金は内税なので)に、その会社それぞれの率、実質的にレイバーレートだよね、を掛けた金額が歩合になる。
具体的にどういう計算方法になるかというと、僕が月に税抜き500,000円の営業収入を上げたとする。ぶっちゃけちゃうと、この金額だとウチの会社だと58%がドライバーの取り分になるので、額面290,000円の給料、という事になる。控除があるので、手取りはもっと少なくなるけどね。
レートの話はこれ以上具体的には書かないけど、ウチの会社はこれでも地区内でトップレベルのハイレートらしい。しかも営収の金額に比例してレートも上下するシステムだし。レートが固定で48%、45%なんて会社が同じ地区内にあるのも知っている。
基本給があってもそれを超えた部分に関しての計算方法は結局は同じで、我々タクシードライバーは一本々々の賃走の金額を積み重ねてその月の給料にしているのだ。

 

これはリアルですよ、生活を懸けてステアリングを握っている立場からすると。メーターを切った瞬間に今さっきの賃走分で自分の懐に入る金額がおおよそ分かるのだから。

 

まあ、個人のドライバーの給料云々は取りあえずどうでもいいのだ。我々はそれを承知でドライバー稼業を続けているのだから。個人的には年に数日でもいいから有給休暇と忌引きの制度くらいは設けて欲しいな、と今の会社には言いたいけど。基本給も無いんだから余計にさ。でもそのくらい。取りあえずはね。

 

この給与体系の、僕が考える本当の問題点はもう少し違くて、それがこの業界が致命的に他の業界と違う所なのかなあと思うんだけど、長くなったんでその話はまた後日。

 

ちなみに働き盛りの僕でも、月に税抜き500,000円の営収を上げられる月は繁忙期の12月、1月、3月、死ぬ気で頑張って8月くらいです。その他の月は青息吐息、何をやっても無駄なあがき、アイドリングタイムの合間にちょこっと仕事するとかそのレベルです。読書が捗る捗る。嫌になるくらい。

 

 

 

 

 

 ソウル史上最重要ライブ、と言われる、ジェイムスブラウンの、キング牧師が暗殺された翌日にボストンで行われたライブ映像。'68年。
この日は公民権運動真っ盛りの全米で黒人の暴動が多発していたらしく、JBがいなかったらこの会場も火の海だったと言われている。演奏のテンション無茶苦茶高い、そしてステージ袖には大勢の(白人)警官。
怒りを表現に転嫁するJB'sの姿は圧巻です。お時間あるときに、是非一見を。